灼熱の大地で生まれた音楽に合わせて踊るラジャスタン民舞。
軽快なテンポで踊られる舞踊は、ときには郷愁をも誘います。
その大地の多くが砂漠に覆われたラジャスタン州──。
砂漠やオアシスに住む多種多様な民族の生活慣習にあわせて楽器が作られ、音楽や踊りが生まれました。
ラジャスタン地方のオアシスや農地に定住する人々は、最も信仰されている英雄神Pabujiへの祈りの気持ちを歌に込めました。慶事には既婚の舞踊カーストの女性達が呼ばれて歌い踊り、祭りの夜を彩ります。
一方、砂漠を遊動して生きる人々は、一日の疲れを癒す音楽や踊りに楽しみを求めました。彼らのエンターテイメント性の高いプロフェッショナルな芸は人々に好まれ、祭りや結婚式にスペシャルなショーを提供しています。
インド独立後、マハラジャのパトロネージを失って衰退していったラジャスタン地方の芸能は、Komal Kothali氏の再興活動によって、インドを代表する民俗 芸能の一つ として認められ、今日では世界中に熱狂的なファンを持つまでに至っています。